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2023.10.04 ガラパゴス化
 「ガラパゴス化」

  私の使っている携帯電話はボタンを押して電話をかけるタイプです。折り畳み式でもあります。「ガラケーを持っているんですか!」と驚かれることもありますが、今や「ガラケー」は販売しておらず、私の携帯も「ガラホ」と呼ばれる「外見はガラケー、中身はスマホ」といった様式の電話なのです。通話とメール以外で利用することもありませんので、「アプリ」(アプリケーションソフトウェア)とも無縁です。特に新しい機種に変更する必要を感じないのですが、「インターネットの検索はどうするのですか?」と心配されたりします。パソコンを使って書き物をする際にはもちろん検索しますが、辞書を引く感覚なので、辞書を持ち歩かないのと同様に、携帯で調べようとは思わないのです。
 こうした態度にかつての教え子(もう社会人として活躍しています)から、「ありえないですよ、ガラケーなんて!」とからかわれたものですから、反発してみたくなったのです。「ガラパゴスというのは進化の最先端に位置するんだぞ!」と。
 ガラケーの「ガラ」は「ガラパゴス化」の略で、日本独自に発達した技術やサービスが世界的な標準規格からは、かけ離れていってしまった状態のことを意味しています。その結果、競争力の低下をまねいた状態を指すこともあり、世界から取り残されていることを揶揄する表現としても使われています。そもそも「ガラパゴス」という言葉は、南米の「ガラパゴス諸島」に由来します。南米といっても、エクアドルから太平洋に向かって西に900㎞離れている「絶海の孤島」の集まりです。この島々は過去に一度も大陸と接したことがないため、島全体の生態系が独自の進化を遂げているのです。ガラパゴスゾウガメ、ウミイグアナ、ガラパゴスペンギンなどといった、ガラパゴス諸島でしか見ることのできない固有種の宝庫です。しかしながらガラパゴス諸島は外来種や環境破壊により、世界一絶滅危惧種の多い島だとも警告されているのです。
 「ほら、取り残されて危機に瀕しているという意味じゃないですか」と教え子くんは指摘しますが、皆さんに知ってほしいのは「独自に進化を遂げた」という部分なのです。生物として最適化を進行させたのですよ。その結果、唯一無二の存在になったのです。決して「退化」ではないということを理解して下さいね。でも私も、スマホで検索できるように適応したいと思います!