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2020.09.23 整理整頓
 「整理整頓」

 整理整頓という四字熟語をご存知のことかと思います。整理も整頓も似たような意味の熟語だと思われるかもしれません。でも「国語の先生」として解説すると、厳密には「違う」ということになるのです。まず共通する部分ですが「乱れた状態にあるものを整えること」「かたづけること」という点になります。ここは同じなのです。その上で「整理する」という言葉には「必要なものと不要なものを分けて、不要なものを処分する」という意味がつけ加わります。「リストラされた」という表現は皆さんも耳にしたことがあると思います。仕事をクビになってしまったというニュアンスで使われることが多いのですが、「人員整理」の結果、職を失ってしまったということなのです。「必要な社員と不必要な社員を分けて、不必要な社員をクビにする」ということなのですね。ですが、決して「人員整頓」とは言いません。整頓には「取捨選択」の意味合いは、あまり強くないと考えられます。そのかわり「優先順位」をしっかりとつけるという色合いが濃くなるのです。どういうことでしょうか?具体的な例を挙げて説明してみましょう。「机の中を整理しなさい!」と言われた場合にはどうすればいいのでしょうか?正解は「机の中を見ていらないものを捨ててしまうことで整った状態にすること」になります。では「机の中を整頓しなさい!」と言われた場合はどうでしょうか?正解は「机の中にあるものを配置し直すことで、使い勝手が良い状態にしたり、何がどこにあるかが明確にわかるようにしたりすること」になります。整理と整頓で、求められるものの違いが明確になりましたでしょうか。
 たくさんのものや色々なもので、雑然としているときに、それを整然とした状態にするためには、まずは要不要の取捨選択をおこなうというプロセスが必要になります。それが整理の本来の意味です。その上で、何がどこにあるのかわかるように秩序立てて並べなおすというのが、整頓の意味になります。ですから整理して整頓するという順序の四字熟語になるわけですね。
 さて、今回皆さんに整理整頓のお話をしようと思ったのには、きっかけがあるのです。東京大学に「ものづくり経営研究センター」という機構があります。そこは日本発の「ものづくりシステム」の国際的な研究拠点であり、とりわけ戦後日本の製造企業が形成した「統合型ものづくり(生産・開発・購買)システム」の理論的・実証的研究を専門に行なうことを目指しています。21世紀の日本から世界へ向けた主体的な知的発信を行ないうる世界最高水準の研究拠点とすることを目的とするセンターなのです。そこのセンター長が東京大学大学院経済学研究科教授の藤本隆宏先生です。先生にお目にかかる機会があり、そこでお伺いしたお話が今回のテーマとなっているのです。藤本教授は「生産管理」という工場でのものづくりのプロセスを専門に研究していらっしゃる先生です。その先生が整理整頓の重要性を強調されたのですよ!あらゆる工場において、一番初めに決めなければならないことは、「物を置く位置」なのだそうです。必ずそこに物があるようにする。一日の作業が終わったら、必ずそこに片付ける。そうした整理整頓ができているかどうかが、効率的な工場になるかならないかの差をうむというのです。日本が世界に発信する「ものづくりシステム」の基本に、整理整頓がすえられているのですよ!
 児童・生徒の皆さんにも、ぜひ伝えなければいけない話だと思っています。
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